【さみしい…】コンビニのおでんが減った?その理由を徹底解説!
冬の寒〜い日にコンビニに入ると、レジ横からふわっと香る、あの温かいおでんの匂い。ついつい誘われて、大根やたまご、ちくわなんかを買っちゃった、という方も多いのではないでしょうか?そんなコンビニの「冬の風物詩」とも言えるおでんが、最近めっきり見かけなくなった…と感じている方、いらっしゃるかもしれませんね。
実は、多くのコンビニチェーンで、店頭でのおでん販売を中止したり、規模を縮小したりする動きが進んでいます。なぜ、私たちに愛されてきたコンビニおでんが姿を消しつつあるのでしょうか?その主な理由を、優しく解説していきます。
理由その1:衛生的・品質管理の難しさ
コンビニのおでんは、レジのすぐ近くで保温されていることが多く、常に温かい状態でお客様に提供されます。しかし、その環境ゆえに、いくつかの課題がありました。
- オープンな環境での衛生管理: おでん鍋は基本的にオープンな状態で置かれているため、お客様が自分で具材を選んだり、店員さんが頻繁に調理器具を使ったりすることで、空気中のホコリや菌が入り込むリスクが指摘されることがありました。
- 香りと引き換えの「フタ」: 以前は具材のいい香りが店内に広がり、それがおでんの魅力を高めていましたが、衛生面への配慮からフタがされるようになりました。これにより衛生リスクは軽減されたものの、あの「誘惑する香り」が薄れてしまい、お客様の購買意欲に影響が出たとも言われています。
- 温度管理の手間: 美味しい状態を保つためには、常に適切な温度で保温し続ける必要があります。これはお店にとって、地味ながらも継続的な手間となっていました。
理由その2:人手不足と店舗オペレーションの負担
近年、コンビニ業界全体で人手不足が深刻化しています。そんな中で、おでんの販売は店舗スタッフにとって、想像以上に手間がかかる作業なんです。
- 仕込みと準備に時間がかかる: おでんを販売するには、まず具材を温め、つゆを補充し、美味しい状態に保つための準備が必要です。これは開店前やアイドルタイムに、他の業務と並行して行わなければなりません。
- 頻繁なチェックと補充: 販売中も、具材が煮詰まらないように、つゆが減らないように、常に目を配り、補充する手間がかかります。また、注文が入れば一つずつ取り分ける作業も発生します。
- 清掃作業も大変: 一日の営業が終われば、おでん鍋を丁寧に清掃し、翌日の準備をする必要があります。これらの作業は、限られた人数で店舗を回すスタッフにとって、大きな負担となっていました。
理由その3:食品ロス(フードロス)の問題
食品ロスは、コンビニ業界全体が取り組むべき大きな課題の一つです。おでんは、この食品ロスの問題と密接に関わっています。
- 予測が難しい需要: おでんは天候や気温に売上が大きく左右されます。例えば、急に暖かくなったり、雨が降ったりすると、予想外に売れ残ってしまうことがあります。
- 多すぎる具材の種類: 大根、たまご、こんにゃく、ちくわ、がんもどき…と、おでんにはたくさんの具材があります。お客様のニーズに応えるために多くの種類を揃えると、それぞれが均等に売れるわけではないため、人気のない具材や特定の具材が売れ残ってしまうリスクが高まります。
- 廃棄は店舗の負担に: 売れ残ったおでんは廃棄せざるを得ず、その廃棄費用は多くの場合、店舗側の負担となります。この食品ロスが、店舗経営を圧迫する要因の一つになっていました。
コンビニおでんの「進化」と今後の行方
店頭で湯気を立てるおでんが減る一方で、コンビニのおでんが完全に消えてしまったわけではありません。最近では、以下のような「進化」の形も見られます。
- パック入りおでんの充実: レンジで温めるだけで食べられる、パックやカップ入りのおでんが充実しています。これらは衛生的で、食品ロスも管理しやすく、お客様も好きな時に好きな場所で食べられるというメリットがあります。
- 他の温かい商品への注力: おでん鍋があったスペースには、焼き芋や揚げ物、店内調理のホットスナックなどが導入されるケースが増えています。これらは比較的手間がかからず、売れ残りのリスクも少ない傾向にあります。
コンビニのおでんは、私たちにとって単なる食べ物ではなく、冬の訪れを感じさせる温かい存在でした。店頭から姿を消しつつあるのは寂しいことですが、これは時代の変化や、コンビニが抱える課題への対応の結果とも言えます。これからもコンビニが、私たちの日々の暮らしを支える便利な存在であり続けるために、新しいサービスや商品が生まれていくことでしょう。