孫からの香典、どうする?祖父母の葬儀で知っておきたいこと
祖父母が亡くなられた際、お孫さんとして「香典ってどうしたらいいんだろう?」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、学生さんや社会人になったばかりの方だと、周りに聞きにくかったり、マナーがわからず不安になったりしますよね。
結論から言うと、**孫からの香典は「必ずしも必要ではない」**場合が多いです。しかし、状況によっては包むのが望ましいケースもあります。今回は、そんな孫からの香典にまつわる疑問をスッキリ解決していきます。
香典の基本的な考え方:なぜ香典を贈るの?
香典は、故人への供養の気持ちを表すと同時に、遺族の葬儀費用の一部を負担し、経済的な助けとなる意味合いがあります。日本では古くから、相互扶助の精神に基づいて行われてきた習慣です。
孫からの香典が「いらない」と言われる理由
では、なぜ孫からの香典は「いらない」と言われることが多いのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
扶養関係にある場合が多いから: 学生さんなど、まだ経済的に自立していない孫の場合、親が香典を出す際に孫の分もまとめて包むことが一般的です。無理に香典を出すよりも、まずは学業や生活を優先してほしいという遺族の配慮があります。
遺族(親)が香典辞退の意向を示すケース: 遺族が「香典は辞退いたします」という意向を示している場合、孫であってもそれに従うのがマナーです。
香典返しなどの負担を考慮して: 香典をいただいた場合、遺族は香典返しを用意するのが一般的です。孫から香典を受け取ると、遺族は香典返しを検討する手間や費用が発生します。特に親しい間柄であれば、そういった負担をかけたくないという気持ちから「いらない」と伝えることがあります。
それでも香典を包んだ方が良いケース
「必ずしも必要ではない」とはいえ、以下のような場合は香典を包むことを検討してみましょう。
経済的に自立している社会人の孫: 自分で生計を立てている社会人の場合、一人の大人として香典を包むことで、故人への敬意と遺族への配慮を示すことができます。
同居していて生計を共にしていた孫: 故人と同居し、共に生活を支えてきた孫の場合、より深い関係性から香典を包むことで、遺族としての気持ちを示すことができます。
故人と特別な絆があった孫: 故人と特に親密な関係で、お世話になった感謝の気持ちを伝えたい場合は、香典を包むことで気持ちを表すことができます。
家や地域の慣習で香典を出すことが一般的な場合: 地域によっては、孫であっても香典を出すのが当たり前とされている場所もあります。親や親戚に事前に確認してみると良いでしょう。
香典を渡す・渡さない、どう判断すればいい?
一番大切なのは、**「ご両親や親戚に相談すること」**です。
まずは親に相談: 「おじいちゃん(おばあちゃん)の香典、私(僕)も出した方がいいかな?」と率直に聞いてみましょう。多くの場合、親が全体の意向を把握しているはずです。
香典辞退の有無を確認: 遺族が香典を辞退している場合は、無理に渡す必要はありません。その代わり、別の形で感謝の気持ちを伝える方法を考えましょう。
地域の慣習を尋ねる: もし可能であれば、親戚の年長者などに地域の風習について尋ねてみるのも良い方法です。
香典以外で気持ちを伝える方法
もし香典を辞退された場合や、まだ経済的に余裕がない場合は、香典以外にも故人への感謝や遺族への配慮を示す方法はたくさんあります。
葬儀のお手伝い: 受付や案内、配膳など、できる範囲で積極的にお手伝いを申し出ましょう。これは金銭以上の助けとなり、遺族は大変助かるはずです。
供花や供物: 故人が好きだったお花を贈ったり、お菓子や果物などを供えたりするのも良いでしょう。
お悔やみの言葉を丁寧に伝える: 遺族に直接「お悔やみ申し上げます」と心を込めて伝えるだけでも、十分気持ちは伝わります。
故人の思い出話をする: 遺族にとっては、故人の思い出を語り合うことが何よりの供養になります。故人との楽しかった思い出を話してあげるのも良いでしょう。
手紙やメッセージ: 後日、あらためてお悔やみの手紙を送るのも丁寧な方法です。
孫が香典を出す場合の金額相場とマナー
もし香典を出すことになった場合、どのくらいの金額を包めば良いのでしょうか。
金額の相場:
学生: 3,000円〜5,000円
社会人: 5,000円〜10,000円
あくまで目安であり、故人との関係性や自身の年齢、経済状況によって調整しましょう。無理のない範囲で包むことが大切です。
香典袋の選び方:
水引: 白黒または双銀の結び切りを選びます。
表書き: 宗派によって異なりますが、一般的には「御霊前」と書きます。浄土真宗の場合は「御仏前」を使用します。
氏名: 自分の氏名をフルネームで書きます。連名の場合は、右から目上の人の名前を書き、左に続けて書きます。
お金の入れ方:
お札は、肖像画が裏向きになるように入れます。
新札ではなく、使い古したお札を使うのがマナーとされています。「不幸を予期していたわけではない」という意味合いがあります。
まとめ:大切なのは「気持ち」と「配慮」
孫からの香典は、必ずしも絶対的なものではありません。一番大切なのは、故人への感謝の気持ちと、ご遺族への配慮です。迷った場合は、まずご両親や親戚に相談し、その意向に沿う形で行動するのが一番です。香典を包む、包まないにかかわらず、あなたができる形で故人を偲び、ご遺族を支えることが何よりも尊いことです。