子宮全摘出後の体重増加、どうすれば乗り越えられる？無理なく痩せるためのヒント
子宮全摘出手術を受けられた方の中には、「術後から体重が増えてしまった…」「以前より痩せにくくなった気がする」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。手術後の体の変化は誰にでも起こりうることで、一人で悩む必要はありません。
この記事では、子宮全摘出手術後に体重が増加しやすい理由を分かりやすく解説し、無理なく健康的に痩せるための具体的な方法を、術後の体に配慮しながらご紹介します。焦らず、ご自身のペースで取り組んでいきましょう。
子宮全摘出後に体重が増えやすいのはなぜ？
子宮全摘出手術は、女性の体にとって大きな変化をもたらします。体重が増えやすくなる主な理由としては、以下の点が挙げられます。
1. ホルモンバランスの変化
卵巣を残した場合でも、子宮を摘出することで、卵巣への血流が一時的に変化したり、ホルモン分泌に影響が出たりする可能性があります。また、卵巣も一緒に摘出した場合は、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が急激に減少します。エストロゲンは、脂肪のつき方や基礎代謝に関わっているため、減少することで体重が増えやすくなることがあります。
2. 活動量の減少
術後は、体の回復のために安静に過ごす期間が必要です。退院後も、しばらくは重いものを持ったり、激しい運動をしたりすることが制限されます。この活動量の減少が、消費カロリーの低下につながり、体重増加の一因となります。
3. ストレスや食生活の変化
手術やその後の体の変化、病気への不安などがストレスとなり、過食につながるケースもあります。また、術後の回復期は消化に良いものを選んだり、食事の準備が負担になったりすることで、食生活が偏ってしまうことも考えられます。
4. 基礎代謝の低下
ホルモンバランスの変化や活動量の減少によって、基礎代謝（安静時に消費されるエネルギー量）が低下することがあります。基礎代謝が下がると、同じ量を食べていても太りやすくなります。
子宮全摘出後に無理なく健康的に痩せるための方法
体重増加は気になるものですが、術後の体はデリケートです。焦って無理なダイエットをするのではなく、体をいたわりながら、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
1. 医師と相談し、運動を始めるタイミングを見極める
術後の回復には個人差があります。運動を始める前に、必ず担当医に相談し、許可を得ましょう。一般的には、軽い散歩から始め、徐々に運動量を増やしていくのが推奨されます。
初期の運動（術後1〜2ヶ月頃、医師の許可を得てから）：
軽いウォーキング: 自宅の周りを散歩するなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。
ストレッチ: 血行促進や体の柔軟性を保つために、優しいストレッチを取り入れましょう。腹部に負担がかからないように注意してください。
骨盤底筋体操: 術後には尿漏れなどが気になる方もいます。骨盤底筋を鍛えることで、体の機能回復にも役立ちます。
徐々に運動量を増やす（医師の許可を得てから）：
水中ウォーキング: 関節への負担が少なく、全身運動ができます。
ヨガやピラティス: 体幹を鍛え、しなやかな体を作るのに役立ちます。無理のない範囲で行いましょう。
筋力トレーニング: 筋肉量を増やすことで基礎代謝が向上し、痩せやすい体になります。まずは軽い負荷から始め、徐々に重さを増やしましょう。腹筋運動など、腹部に直接的な負荷がかかる運動は、医師の指示に従ってください。
2. 食生活を見直す
体重管理の基本は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。術後の体は、質の良い栄養を必要としています。
バランスの取れた食事: 炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂り、ビタミンやミネラルも意識して摂取しましょう。
野菜や食物繊維を積極的に摂る: 満腹感を得やすく、便秘解消にも役立ちます。
高タンパク低カロリーな食材を選ぶ: 鶏むね肉、魚、豆腐、卵などは、筋肉量を維持しながら痩せるのに役立ちます。
ゆっくりとよく噛んで食べる: 消化吸収を助け、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぎます。
間食の見直し: 甘いものやスナック菓子の代わりに、ナッツやフルーツ、ヨーグルトなど、栄養価の高いものを選びましょう。
水分補給: 水分を十分に摂ることで、代謝が促され、老廃物の排出にも役立ちます。
3. 質の良い睡眠とストレスケア
心身の健康は、体重管理にも大きく影響します。
十分な睡眠時間: 体の回復とホルモンバランスの安定のためには、質の良い睡眠が不可欠です。
ストレス解消法を見つける: ストレスは過食や代謝の低下につながることがあります。リラックスできる趣味の時間を作ったり、信頼できる人に話を聞いてもらったりするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
体を温める: 冷えは血行不良や代謝の低下につながります。温かい飲み物を飲んだり、入浴で体を温めたりすることを心がけましょう。
4. ホルモン補充療法（HRT）の検討（卵巣も摘出した場合）
卵巣も摘出した場合、女性ホルモンが急激に減少することで、更年期障害のような症状や、体重増加が起こりやすくなります。医師と相談し、ホルモン補充療法（HRT）を検討することも一つの選択肢です。HRTは、症状の緩和だけでなく、骨粗しょう症の予防などにもつながります。
焦らず、自分に合った方法を見つけることが大切
子宮全摘出後の体重管理は、一朝一夕にはいきません。大切なのは、焦らず、ご自身の体の声に耳を傾けながら、無理のない範囲で健康的な習慣を続けることです。
もし、一人での管理が難しいと感じたら、栄養士やパーソナルトレーナーなど、専門家のアドバイスを求めるのも良いでしょう。何よりも、ご自身の心身の健康を最優先に考えて、前向きに取り組んでいきましょう。